卒業研究、卒業試験、国家試験と、薬学生の6年次は超多忙。それに加えて就職活動も加わります。全体のスケジュールを把握するとともに、実際、先輩たちはどうだったのか、振り返ってみましょう。
卒業研究や論文提出がある大学は、年内はそちらがメインになりそうです。しかし、余裕を持って国家試験対策を始めるには、夏頃から薬ゼミなども利用してスタートしたほうがよいでしょう。
また就職活動に関して、2015年度の企業側の採用スタートは8月からでしたが、その前からエントリーや会社説明会は始まっていました。特に他学部の学生は、就職活動の動きも早い傾向にあります。薬学生以外でも採用する製薬メーカーなどは、周りの学生や企業の動向に注意が必要です。
理想はそうでも、その通りには行かないのがリアルな話。国試を乗り切った3人のケースを見てみましょう。
堅実派・Aさん(私立)
予備校を利用し、コツコツと勉強を進めたAさんは、標準スケジュールより早い段階から試験対策を進めています。本格的に勉強を開始するようになってからは、最低1日3時間の勉強を心がけ、1日中勉強している日もあったそうです。自分で勉強のペースがつかめないという人は、早いうちからAさんのように、決められたスケジュールがある予備校の講習を利用するのも、一つの方法かもしれません。
超多忙・Bさん(公立)
Bさんは、6年次の大半を卒業研究や論文提出に費やすことになり、12月まで、国家試験の勉強は1週間に合計4〜5時間できればよいほうだったとのこと。ただ、統一模試のたびに復習はしていたそうです。本格的に勉強を開始したのは1月から。時間がないこともあり、過去問を反復する勉強に絞ったようです。それぞれの大学やその人の習熟度によって異なりますが、最後まで全力でできることを諦めずに取り組んだことが、結果につながったのかもしれません。
追い込み型・Cさん(私立)
夏までずっと遊んでしまったCさん。エンジンがかかりだしたのは、なんと11月になってからだったようです。ただ、これまでの経験上、自分の勉強方法をきちんとつかんでいることが功を奏し、みるみる成績が上がったとのこと。しかしどんなに模試で好成績でも、最後まで「運が良かっただけではないか?」という不安にずっとかられていたそうです。追い込まれて力を発揮できる人ならよいですが、プレッシャーに弱い人は逆効果にな可能性も。やはり余裕をもって試験対策には取り組みたいものです。